ハワイ島の北部にホノカアという小さな街があります。「ホノカア」とはハワイ語でホノは「湾」、カアは「回転する、転がる」を意味し、直訳すると「転がる湾」という意味。
その昔、サトウキビ産業とマカデミアナッツの栽培で栄えたホノカアですが、今はひっそりと当時の面影を残しつつノスタルジックな街並みです。
ハワイの歴史好きの人にはきっと大好きな街でしょう。
ホノカアは何年代の町?歴史をみると
ホノカア・シュガータウン
古代、ホノカアの場所に村があったという記録はありません。
ホノカアは、1850年代に小さな独立したサトウキビ産業が芽生えた時期に発展した街です。
1930年、ホノカアは、プランテーション労働者、牧場主、兵士、農民、およびハワイ先住民の娯楽と商業の中心地でした。ホノルルとヒロに次ぎ、ハワイで三番目に大きな活気のある街だったのです。
ホノカアを訪れたことがある人ならばきっと驚かれることでしょう。
日系人など移民が多く、ホノカアでの初期のビジネスのほとんどは、その地域に移動したプランテーションまたはその就労契約を終えた中国人によって始められました。
1994年に最後のサトウキビ農園が閉鎖となり、サトウキビの歴史に幕を閉じます。人口は減少しましたが、かつての豊かな歴史の面影はそのまま残されています。
マカデミアナッツの栽培は、他の場所で移動しました。
ホノカアの英雄
ホノカアの英雄として語り継がれる日系人 カツ・ゴトウ(後藤濶)さんをご存じでしょうか。
神奈川県から官約移民としてハワイ島へ渡り、ホノカア近くのハマクアの砂糖農園で勤勉に働き、労働者のまとめ役や交渉役を務めるようになります。3年間サトウキビ農園で働く契約が終わるり、ホノカアに雑貨店を開きます。
英語が堪能で、正義感も強く、日本人労働者を守るべく、労働組合をつくったり、農場主への直訴や交渉も行っていました。リーダー的存在だったのです。
一方、後藤さんのお店がうまくいっていることや、白人社会に反発する後藤さんを妬む人もいたことは確かです。
後藤さんを、よく思わなかった権力者から、後藤さんが日本人労働者との会合を終え深夜に1人で帰宅する途中に何ものかに襲われ、翌朝電柱につるされた姿が見つかるという無残な殺され方をされてしまいます。
ホノカアの日系人の英雄として忘れられないためにも、その電柱があった近くに、今でもカツ・ゴトウの碑があります。
ホノカアの街並み
mamaneストリートがメインストリート。両サイドにお店が並びます。
ぷらぷら歩くだけでも、あたたかく明るくて気持ち良いです。
ホテル・ホノカア・クラブ
1928年に建てられたホテルで歴史的建造物です。ソーラーパネルを利用して独自の電力を生成する環境にやさしいエコなホテル。
今でも、ホテルとして営業しています。
» hotelhonokaa.com
ホノカア・ピープルズ・シアター
映画「ホノカアボーイ」ですっかり有名になったホノカアの映画館「ホノカア・ピープルズ・シアター」。
1930年、日系移民のタニモト・コウイチ&ペギー夫妻によって建てられた、歴史ある映画館です。
当時はホノカアはたくさんの人で賑わっており、その娯楽が映画でした。
サトウキビ産業の衰退とともに、街の人口が減り、一旦、1988年に閉館します。
プランテーションのお医者さんとしてホノカアにやってきたトムさんが、経営を引き継ぎ再びOPEN。
家族が映画を観るために、わざわざヒロまで行かなくてもすむように、価格を低く抑えました。
そのおかげで、だんだんと街は活性化し、フェスティバル、コンサートなど、多くのイベントで地元の人を楽しませています。
そして今も営業を続け、劇場は非営利団体になり、ミーティング会場およびソーシャルセンターとして、コミュニティに貢献されています。
ハマクア浄土院
ホノカアは日系人が多い街なので、お寺もあります。
ホノカア浄土院は、1896年に建てられた、ハワイで一番古い日本仏教寺院です。
海が見渡せる、立派なお寺。
このお寺には、ホノカアの英雄カツ・ゴトウさんのお墓もあります。
ハマクア・ナチュラルズ
オーガニック系のお店ですが、何か色々ある。休憩もできるってことね。
お土産に牛乳石鹸を買いました。
すぐ向こうは海。空が青い!
銀行です。
アンティークショップ。
お店には日系人の名前も残ります。
何を受信するのか、大きなアンテナが目立ちました。
ランチ・カフェのお店
TEX DRIVEIN
イチ押し!マラサダで有名なテックス・ドライブイン。ハワイ島に来たときは、必ず来てしまう。
カフェ・エドモンド
20年以上営業しているイタリアンのお店。ピザがモッチモチでとにかく美味しいんです。
映画「ホノカアボーイ」
バッグのブランド「PORTER」で有名な、吉田カバン創始者の孫「吉田玲雄」さんが、ホノカアで過ごした実体験をもとに綴られたもの。
ホノカアの映画館でバイトをするレオ(著者と同じ名前)と地元の日系人のビーさんとのストーリー。ほんとにびっくりするくらいのんびり~。見たら幸せになれるという「ムーンボウ」という存在を知ったのもこの映画がきっかけでした。
映画に登場するマラサダは、「テックスドライブイン」の名物です。
「ホノカアボーイ」を見てから、ホノカアを訪れると、がより楽しめますので、レンタルで観ることをおすすめ!
あらすじはこちらの記事を参照ください。
日系人の歴史が残っているホノカアは、ハワイの歴史好きにはかなり趣の深いところです。
すぐ近くにワイピオ渓谷がありますので、ホノカアとワイピオ渓谷とセットで訪問してみてくださいね。ハワイ島を堪能できます。