ダウンタウンにあるハワイ州庁舎は見学自由で観光客でも自由に入れます。
ハワイ州の政治の中心というお硬い場所なのかと思いきや、気軽に州庁舎の中に入れてしまうという自由な雰囲気に驚き。
誰でも入れてしまうといっても、警備体制は整っていますので安全な場所です。
エレベーターで屋上まで上がりホノルルの景色を眺めることも出来ます。
ハワイ州庁舎の一番の驚きは、建物自体がハワイをモチーフとした建造物であること。
一見の価値あり!のハワイ州庁舎のご紹介です。
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ハワイ州庁舎 (ハワイ州会議事堂 Hawaii State Capitol)
地図と位置関係
ハワイ州庁舎の目の前がトロリーの停留所なので、アクセスがとても良いです。
ハワイ州庁舎はダウンタウンにあります。まわりにはハワイの歴史を楽しめる観光スポットが点在していますので、歩きながらハワイの歴史を学ぶことができるダウンタウン歴史街道です。
ハワイ州庁舎の山側には「ダミアン神父像」、反対の海側には「リリウオカラニ女王像」、その先に「イオラニ宮殿」、「カメハメハ大王像」、「アリイオラニハレ」と一直線上にあります。
州庁舎から山側を見たときの風景。遠くに見える山がパンチボールです。
州庁舎から海側を見たときの風景。イオラニ宮殿が見えます。
ハワイ州庁舎は何するところ?
入り口にはダミアン神父とハワイ州の紋章
1969年に完成したハワイ州庁舎はハワイ政治の中心地。それ以前は海側に位置するイオラニ宮殿で行われていました。
建物内には上院下院と州議会の会議場、ハワイ州知事、副知事の、議員さんのオフィスがあります。
2014年12月1日、David Y. Ige知事はハワイ州の第8代知事に就任しました。Ige氏は沖縄出身の日系人です。
州の紋章はハワイが米国の50番目の州となった年号1959、向かって左側にハワイのカメハメハ大王、右はニューヨークの自由の女神です。二人の間には太陽が昇り、不死鳥がはためいています。
州標語「UA MAU KE EA O KA AINA I KA PONO」が。
これはカメハメハ3世が英国からハワイ王国を取り戻した際の演説で使われた言葉からの引用で「The life of the land is perpetuated in righteousness」(土地の生命は正義によって譲られる)と訳されています。
参考までに、イオラニ宮殿の王家の紋章にも州標語「UA MAU KE EA O KA AINA I KA PONO」が入っています。州の紋章と王家の紋章は似ていますよね。
その理由は王家の紋章を、ハワイ王国が滅びたときにハワイ共和国の紋章としてデザインが一部だけアレンジされて、使われることになったからです。
建物がハワイそのもの
ハワイ州庁舎外観
ハワイ州庁舎の建築物にはハワイの歴史や文化とアロハの精神が表現されているのです。
例えば、建物の外観。建物の周りはぐるっと水がはられ、まるで海の上に建物が浮かんでいるよう。
これは、太平洋の中のハワイを意味しています。
建物の中央部分は吹き抜け
建物の中央部分は吹き抜けで、上から見るとドーナッツのように屋根がありません。海側と山側は扉がなく壮大な入り口で、これは、開かれた海、開かれた空、開かれた扉と、両手を広げ心をオープンにしている象徴なのです。
開かれた空は、火山の火口も現しています。
火山の内側から火口を眺めている感じなのですが、上を見上げると青い空に白い雲が流れていきます。
海を大航海でハワイにやってきた、海とカヌーを現しています。
吹き抜けの中庭の床のモザイク「Aquarius」は、指の爪ぐらいの大きさの60万枚のセラミックタイルでできています。名前のごとくキラキラと光る水を現しています。このモザイクを見るには上層階からがおすすめです。
モザイク「Aquarius」の向こう側は、火山のように見えますか?
火山を現している円錐形の壁です。その中は議会室で外からもよく見えるガラス張り。
建物の柱はパームツリーを現し8角形。ハワイは8という数字を大事にします。ハワイの主要な島も8島ですね。
2階からの長めです。建物内で働いている職員は個室。個室の扉がたくさんあります。
エレベーターで
重厚なエレベーター
歴史を感じるエレベーター。このエレベーターに勝手に乗っていいのかな?とドキドキ。
エレベーター内に入ると、フロアーが階数ではない!?ん?一瞬、どこを押していいのか迷ってしまいましたが、左に数字もありますね。
5階 知事執務室
知事の部屋です。つややかなコアの木でできた大きな扉。このドアのパネルの数が右8枚、左8枚とハワイの数「8」です。
知事執務室のボードにもハワイ州の紋章。
屋上
屋上からの山側の景色です。パンチボールが良く見えます。
屋上からの海側の景色です。遠くに海が見えます。
屋上からのダウンタウン側の景色。
リリウオカラニ女王像
海側に出ると、リリウオカラニ女王の像があります。
ハワイ王朝最後の女王リリウオカラニ女王はハワイ王国の激動の時代を支配しました。 1893年ハワイ王国は終わりを告げますが「ハワイ共和国」として存続。1895年、王政復古を求める武装蜂起が起き、リリウオカラニ女王の邸宅の庭から武器が発見されたことから、彼女は8ヶ月間イオラニ宮殿に幽閉されました。
イオラニ宮殿と州庁舎の間に位置するリリウオカラニ像は、君主制とそれに取って代わる民主主義の架け橋としても見ることができます。
リリウオカラニ女王の左手には3つの文書があります。「ハワイ憲法草案」「ハワイのクムリポの創造物語」そして、彼女が作曲した150以上の曲とチャントの中で最も有名な「アロハ・オエ」です。
右手は広げ、人々に手を差し伸べています。
ダミアン神父像
山側には、セントジョセフ・ダミアン・ド・ヴォスターの像があります。 ダミアン神父は16年間、モロカイ州カラウパパの遠隔地でハンセン病に罹患している人々に奉仕しました。
自らもその病気にかかり、1889年に49歳で亡くなり、彼は人生の仕事に大きな犠牲を払ったのです。2009年にはバチカンで聖人の列に加えられ聖ダミアンとなりました。
ダミアン神父の資料のお顔を比較すると、銅像がかなりデフォルメされていることがわかります。
そして、ダミアン神父は山側を見守っています。
平和の鐘、リバティベル
州庁舎にタイムカプセルが発見された
壁には鉄板のこの建物のサインがあります。2018年12月13日この鉄版は取り外されました。
取り外されたコンクリートの壁の奥に、1969年に埋め込まれたタイムカプセルが見つかったからです。
タイムカプセルといってもこの建物自体まだ50年しか経っておりませんので、太古のロマンを感じるものではないでしょう。
2019年は州庁舎にとっては築50周年を迎える記念の年になり、その直前にタイムカプセルを取り出すことになりました。さて、タイムカプセルの中身ですが、50年前の写真、新聞などが出てきたようです。
建設時にタイムカプセルを埋め込んでしまうという、この遊び心がいいですね。
ワシントンプレイス
山側の道路「ベレタニア・ストリート」を渡ると、ワシントンプレイスという木造の邸宅があります。
ここは1874年にジョン・ドミニスの商人兼船長のために建てられました。
後に、ジョン・ドミニス氏の息子、ジョン・オーウェン・ドミニス氏と結婚したリリウオカラニ女王が、幽閉された後の最期の日々を送った場所でもあります。
現在ではハワイ州知事公邸として使われています。
見学自由
無機質なお役所的建物とは違い、ハワイをテーマにデザインされた建造物であったことに驚きです。ハワイ州庁舎について知識を得てから見学すると何気なく通り過ぎてしまいそうなところにも喜びと発見があるでしょう。
4階の部屋番号「415」に行くと州庁舎のパンフレットが入手できます。2階にはトイレもありますので利用できますよ(安全なトイレです)。
415 S. Beretania St., Honolulu, HI 96813
7:00am~6:00pm, 土日祝日は閉庁
(808)586-0178
http://governor.hawaii.gov/(ハワイ州知事公式サイト)