カメハメハ大王像はホノルルの観光スポットとして有名ですが、カメハメハ大王像の背後にある建物が何かご存知ですか?
宮殿のように美しいルネサンス様式の建築物です。
海外ドラマTV「HAWAII FIVE-O(ハワイ・ファイブオー)」の中では「FIVE-O」の本部という設定ですが、それはドラマの中の話。
この建物はハワイ王国時代の歴史的建造物「アリイオラニ・ハレ」といって、古代ハワイから、近代的な西洋社会の法と裁判所制度へと移り変わった、ハワイの1,000年の司法の変化を見ることができる、とても興味深いところ。「ハワイ州最高裁判所」としても使われています。
カメハメハ大王像の写真を撮るだけではなく、ぜひ後ろの「アリイオラニ・ハレ」の中にも足を運び、ハワイの歴史と司法について知ると、もっとハワイが楽しくなるでしょう。
そんな「アリイオラニ・ハレ」をご紹介します。
目次
アリイオラニ・ハレとは
「アリイオラニ・ハレ」とは、ハワイ語で「崇高な王族の家」という意味で、「アリイオラニ」は、カメハメハ5世のハワイアンネームでもあります。
アリイオラニ・ハレは、当初は、カメハメハ5世の宮殿として設計されたものでした。
ところが、「宮殿よりも政府の建物が必要である」と、カメハメハ5世から提言があり、宮殿から庁舎に変更になったのです。
残念ながら、庁舎が完成する前にカメハメハ5世は亡くなりました。1874年カラカウア王の時代に庁舎は完成します。そして、カメハメハ5世にちなんで「アリイオラニ・ハレ」と名付けられたのです。
その後、「国会議事堂」や「裁判所」、「法律図書館」や「政府機関」も設置されました。
リリウオカラニ女王の時代には、革命派勢力に使用されることにもなりましたが、現在では、「ハワイ州最高裁判所」として使われています。
古代ハワイのカプ(KAPU)制度から、近代的な西洋社会の法と裁判所制度へと移り変わった1,000年の司法の変化を見ることができます。
観光客を含めて誰でも無料で見学できますので、入口で簡単な手荷物検査と身体チェックを受け、ぜひ入ってみてくださいね。
建物内の様子
左右対称の建築は厳かな感じがしますね。
天井には明かり取りの美しいガラス窓。
このときは、入り口を入るとペーパーフラワーが飾られてました。意味ありげな…何でしょう?
近くまで寄ってみると、おっ裏紙ではないですか。
司法歴史センター
1階はハワイの裁判の歴史などを学べる司法歴史センター。古代ハワイからの裁判の歴史を学べる資料が、多数展示されています。見たことがないものばかりでハワイの歴史好きは興奮。
カメハメハ3世以前の時代には、裁判のようなものはなく、王族やカフナがその役割を担っていました。古代の話など、はじめて知ったことも多く、おもしろいです。
こちらのイラストの説明は「あなたは有罪ですか?
カフナが祈りを語るとき、このボウルに手をかざし、指を広げます。
水が揺れた場合、あなたは有罪です。」
カメハメハ大王の死後、最も力を持ったのは、彼のお気に入りの女王カアフマヌ。 彼女はクヒナヌイとしての地位と、彼女の家族の政治的力を利用して革命的な変化を生み出しました。
・宗教的なカプを廃止。
・アメリカのプロテスタントの宣教師によってキリスト教に改宗。
彼女は聖書に基づいて新しい法律を作り、西洋の法的形式をとりいれたのです。カアフマヌと若いカメハメハ3世は、最初の国内法、1827年の刑法を宣言しました。
ホノルル1850年頃のホノルルの模型。
ハワイ王国の政府の所在地であり、ホノルルは、10,000人のハワイ人と600人以上の非ハワイ人がいました。
活気ある都市ホノルルのウォーターフロントを表しています。
展示資料の中に、当時の結婚生活が何年続いたかの統計がありました。グラフの真ん中の飛び出た帯は「結婚生活が1~5年」。約半数の結婚カップルは1~5年以内に離婚ということになります。結婚期間が1ヶ月以内、1~4ヶ月というのにも驚きです。
約100年前の法廷を再現
約100年前(1913年当時)の法廷を再現したコーナー。
裁判官席に座って、記念撮影をすることもできます。
地元の高校生がそれぞれ役を担い、模擬裁判を行っていました。
2階は最高裁判所
2階は最高裁判所と、判事の執務室になっています。
ハワイ州最高裁判所の判事さんのそれぞれの部屋があります。
予約も不要で、入り口で荷物とボディチェックをうければ、中に入れます(きれいなトイレもあります)。ハワイの司法の歴史というマニアックな世界ではありますが、変化の歴史はとても興味深いものです。
今回の最高裁判所もそうですが、州庁舎などお役所も、他国からの観光客が気軽に見学できる、公に開かれた行政というものを感じました。
地図
情報
417 S King St, Honolulu, HI 96813
8:00~16:00 土・日曜・祝日は休館
入館料無料
www.jhchawaii.net