オアフ島には美しい自然がたくさんありますが、その中でも人気なのがマノア滝。
マノア滝は、ワイキキから程近くに広がる広大な美しいジャングル「マノア渓谷」にあります。
映画「ジュラシック・パーク」やドラマ「LOST」のロケ地でもあると言えば、どんなところなのか想像がつくのではないでしょうか。
本格的な登山の準備が不要で、気軽にトレッキングができるので、広大で緑豊かな景色に魅了され、オアフ島に来るたびに参加しています。
新鮮な空気をたくさん吸うと体の中からきれいになった気がするのと、植物のパワフルな生命力からエネルギーをもらう気が。
ゴールはマイナスイオン全開のマノア滝!
この記事では、マノア滝への行き方や見どころ、注意点などを詳しくご紹介します。
マノアとは?
「マノア(Mānoa)」とはハワイ語で「厚く、しっかりしていて、広大」という意味。
ワイキキからハワイ大学を抜けて、車で約20分というワイキキの近場にあるジャングルがマノア渓谷。
一番奥にある「マノア滝」がトレイルのゴール!
閑静な高級住宅地のすぐ裏がマノア渓谷です。
大自然を育む豊かな水
マノア渓谷は、コオラウ山脈の風下側にある、深く切り立った渓谷の一つです。
コオラウ火山が最初に噴火したのは250万年以上前と考えられ、その後、水と風によって滑らかだった斜面が侵食され、現在のような円形に広がる渓谷が生まれました。
北東の貿易風がマノア渓谷の高地に雨と涼しさをもたらします。
風は、水分を含んだ空気を山に押し付け上空に上り、高度が上がるにつれて空気は冷やされ雨に。
巨大な雲が山々を包み込み、頂上付近では大雨が降ることもしばしばで、乾季でも大量の雨がマノアに降ります。
その量はなんとワイキキの10倍以上の降水量!
その結果、水と緑が豊かなジャングルが誕生しました。
また、この雨は谷間に吹き寄せられ、マノアの名物である虹を作り出し「虹の谷」とも呼ばれてます。
水が豊かで、木々や花々の成長がとても良く、何もかもが巨大で生命力にあふれてます。
自分が小さな生き物になったよう。
そんなジャングルのゴール地点「マノア滝」は、高さ約50メートル。
ワイキキの後ろに広がるジャングルは、まるで別世界!ジェラシックパークです。
映画やドラマのロケ地
マノア渓谷は海外ドラマ「LOST」や映画「ジェラシック・パーク」のロケ地。
撮影中は駐車場にそれは大きなロケ車がダーーーーっと並んでいたそうです。
「LOST」シーズン1の一番最後の方で、秘密のハッチが登場します。
そのハッチはここだそうです。
ガイドさんに教えてもらわなければ何事も無く通り過ぎてますし、「ここよ」と教えてもらってもセットが無いと「この辺?」という感じです。
マノア滝へのアクセス方法
公共交通機関を利用する場合
The Bus
アラモアナ・センターから「5番」の「マノア・バレー Manoa Valley」行きで約25~30分、終点で下車。
終点のバス停はマノア・ロードとクムオネ・ストリートが交差する地点にある「Manoa Rd + Opp Kumuone St」です。
そこからトレイルの入り口まではマノア・ロード沿いを歩いて10~15分(約1km)です。
アラモアナセンターへ戻る際のバス停も同じ場所です。「アラモアセンター Ala Moana Center」行きへ乗車します。
タクシー
ワイキキから約20分。
帰りはタクシー乗り場はありませんので、自分で呼びます。
レンタカーを利用する場合
有料駐車場あり:7ドル(ハワイ州民とミリタリは4ドル)
駐車料金を払いたくない場合は、さらに南方の住宅街に合法的に車を停めることができるそうです。
トレイルの入り口までは約 400 m歩く必要があります。ツアーガイドさんは毎回、この辺りに駐めていました。
閑静な住宅地ですので、近隣への配慮も忘れずに。
現地ツアーを利用する場合
私のおすすめは現地オプショナルツアーを利用することです。
植物や動物や地形などプロに色々教えてもらいながら楽しみたいので、ガイドさん付きのオプショナルツアーに参加しました。
何気なく通りすぎ見過ごしてしまうことも、ガイドさんにその場でポイントを教えてもらうと何倍も楽しめます。
マノア滝の見どころ
緑豊かなトレイルは、標高差が少ないので初心者でも比較的歩きやすく、様々な植物を見ることができます。
トレッキングコースは往復2.6kmで、所要時間は1時間30分~2時間。
このトレイルの見どころは、ゴールのマノア滝と雄大な自然です。
- 料金:入場無料
- 開園時間:日の出から日没まで(17時半以降のスタートはしないようにと観光局から注意喚起)
- 住所:Na Ala Hele, Honolulu, HI 96822
緑豊かなトレイル
トレイル入り口
トレイル入り口には門があります。
トレイルに入るとガイドさんから「木の実とか、葉っぱとか、花とか、何か食べたいものがあったら私に聞いて下さい。毒を持った植物じゃないか判断しますから。」とのこと。
本能的に何か食べてみたくなるのかも…。
熱帯雨林の巨大な木々の下を抜け、鳥のさえずりや小川のせせらぎを聞きながら、渓谷奥にあるマノア滝までのトレッキングです。
ここが映画のロケ地となった理由がよくわかります。
山の中ってほんとに気持ちがよくて、酸素が濃く感じる。
トレイルには想っていたよりも人がいて、行き交う人には「Hello!」と挨拶。
私たち以外には日本人観光客はいませんでした。ビーチサンダルだったり(ドロドロになって足が疲れます)、赤ちゃんをおんぶ紐や抱っこ紐で体にくくって歩くパワフルなダディーもいました。ランニングしている人も。
この橋を渡るといよいよジャングルの中へ入ります。
ユーカリ・ロブスタの森
ユーカリロブスタとはオーストラリア原産の高さ約30mにまで達する高木です。
トレイルはユーカリの木立の中を抜けていきます。
ハウの森
ハウはポリネシアの航海者が、ハワイに持ち込んだと言われてます。
木材はアウトリガーカヌーの建造に使われ、樹皮は耐久性のあるロープに加工されました。
天然の日除け。ジャングルの中はほとんど日陰で、陽があまり当たりません。
ガジュマルアーチ
ガジュマルとは、亜熱帯から熱帯地方に分布するクワ科イチジク属の常緑高木。
ハワイでよく目にするバニアンツリーの仲間です。
日本では「キジムナー」という精霊が根に宿る縁起物としても知られてますが、いかんせん大きさがぜんぜん違います。
幹なのか根なのか?何がどうなっているのかわかりません。
マノア滝に行くには、このガジュマルのアーチをくぐりぬけます。
トレイルに並行して小川が流れているのでせせらぎが聞こえます。小さな魚など生き物がいるようですがわかりませんでした。
バンブーフォレスト
竹は流域保護のために広範囲に植えられました。しかし、非常に侵略的で在来種を駆逐してしまうことがわかりました。
階段を上ったあたりから、トレイルが少しきつくなりますが、ゴールはもうすぐ!
マノア滝に到着!
さぁ、マイナスイオンをたっぷり浴びましょう!
落差約50mの滝から、ひんやりとしたマイナスイオン飛び散りまくりです。
ひんやりして気持ち良いー。
今月はほとんどの雨が降っていなかったそうですが、今朝方雨が降り、チョロチョロだった滝の水量がやっと滝らいい水量に戻ったそうです。
左手にはベンチがあります。その先が展望エリアで岩壁で囲まれているので、ここを越えないようにしましょう。
展望エリアを越えて、立ち入り禁止区域の滝壺周りに外国人が多いこと…。
自己責任といえどもルールは守って!
さらにフェンスを越えて上に登っていく若者たちが何人かいました。
さすがに、ガイドさんが英語で注意しましたが無視…。
危ないだけではなく、古代ハワイアンの時代には、滝壺には身分の高い酋長だけが入ることが許されていた神聖な場所です。
また、この滝の下の水が溜まっているプールでは人は泳ぎません。小川の水と同様に、水中には人に感染する可能性のある危険な菌がいるのが普通だからです。
それを知らない観光客はプールに入って、顔を洗ったりしてました。
ここでしっかり水分補給をしてから、入り口へ引き返しましょう。
滝周辺の植物や生き物の観察
マノア渓谷の植物
1778年ジェームズ・クック船長がハワイを発見してから、外国の植物や動物(羊、ヤギ、馬、豚、牛)がハワイに持ち込まれました。
放牧された動物によって環境に与えるダメージは広がり、その影響が顕著に現れてきたのです。
ハワイ固有種の植物は、根が浅かったり、成長が遅いので、放牧された動物に踏み荒らされて、成長出来なくなってしまいました。
オヒアや、コアなどの原生木は、この土地で育つことは難しくなってしまったのです。
森林の植物が徐々に失われた結果、水の流出が速く、浸食が進み、川が濁るようになり、水源も悪化していきました。
そこで、水の流出を抑制できる植物を植えて、森林を回復させるために、世界中から数百種類の樹木を集めて植えられました。
ハワイの流域を守り抜くための歴史的な取り組みが、ここマノアで行われていたのです。
ハワイ諸島の安全で安定した水の供給は、ここマノアの高地で行われた実験的な林業の成果です。
恐怖!絞め殺しの木
ガジュマルはバニヤンツリーの仲間で、水の流出を抑える効果が高く、成長も早く、最適とされた木のひとつです。
ワイキキでもバニアンツリーをあちこちで見かけることでしょう。
垂れ下がった気根は、徐々に自分の幹や周りの植物や地面に複雑にからみつき派手な姿となります。
だんだんと近づいてきて、まるで、巻きついて絞め殺すように(または実際に殺して)成長するために「絞め殺しの木」とも言われてます。
近くに生えている植物にからみつき次々と侵食していきます。
植物は逃げることが出来ないので、ゆっくりと近寄ってくるバニアンツリーがさぞ恐ろしいことでしょう。
他の木の上に根を張って、成長を支える土台にもします。
このバニアンツリーの切り株を見ると、何本もの木が合体しているのがわかりますか?
バニアンツリーの絞め業です。何本もの木がこうしてくっついて太い木になっていきます。
絡まって何が何だか・・・。
こうして、環境に適応したパワフルな外来種の森林になっていくのでした。
ねむの木
大きく上に伸び広がった楡の木の美しいこと美しいこと。ゆらゆらと枝が揺れジェラシックパークワールドだ。
「この木なんの木」のモンキーパッドもネムノキ属です。
螺旋に生える葉っぱの植物
全ての葉に光が当たって光合成ができるように、葉っぱどうしが重ならないようにと螺旋状に葉が生えていきます。上からみると渦巻き。
横から見ても葉が重なっていない、完璧!
巨大ぜんまい
またまたジェラシックパークです。高さ約45cm、見るからに硬そうで食べたいとも思えません。
これがニュッと出ていると、一瞬ビックリしますー。
アフリカンチューリップ
この季節(3月)だから見られるアフリカンチューリップ。木の上の方にオレンジのチューリップのような大きな花をつけます。
咲き終わった花がたくさん落ちてました。
ポトス
「これはモンステラ?」と見間違うほど大きく成長したポトス。
月桃(ゲットウ)
原産地は東南アジア、インド。シェルジンジャーとも呼ばれてます。
菩提樹の実(ブルーマーブル)
インド原産。釈迦がこの木の下で悟りをひらいたと伝えられる木の実です。
実が熟してくると青くなることから「ブルーマーブル」とも呼ばれます。
カウアイ島には珍しい菩提樹の森があります。
マノア滝トレイルの注意点
天候による滝の見え方の変化
滝を見るのに最適なタイミングは、雨が降った翌日です。
滝の水量が増えるので、迫力ある滝を見れます。
※大雨の翌日は、土砂崩れや洪水の恐れがある場合もありますので、事前に情報を収集してください。
午前中は雨が降りやすいので虹が見れる可能性大です。
虹を見たいなら午前中か、ちょっと遅目の午後がおすすめです(日が沈むと真っ暗になりますから日没前には必ず下山して下さいね。)。
雨が降ると足場が濡れて滑りやすくなるため、トレッキング時には十分に注意してくださいね。
晴れが良いなら午後一番がおすすめ。
服装と靴
私のマノアトレッキングの服装はこちら。歩きやすくて疲れにくいスタイル。長袖は暑かったです。
- Tシャツ:汗をかくので、通気性の良いサラッとした肌触りのものがおすすめです。
- ズボン:通気性が良くストレッチが効いてるもの。トレッキング用がBEST
- スニーカー:裏が凸凹の滑りにくい靴
- リュック:両手が自由になるように
木陰を歩くので、帽子やサングラスはなくても大丈夫。
服装
9月のトレッキングの時、綿100%のTシャツを着て急に雨にふられたので、上に雨合羽を着ると蒸し蒸しのサウナ状態でした。
あの不快感といったら…。
汗をかいたり、雨に濡れると、綿100%のTシャツは洗濯物を着ているようになるので、通気性が良いサラッとしたものの方が快適です。
ころんだり、石や植物で擦りむいたりするかもしれないので、長ズボンの方が安全。
靴
滑りにくいスニーカーかトレッキングシューズ。
トレイルには砂利道もありますが、基本的にぬかるんだ土の上を歩きます。
靴はもちろん、ふくらはぎにもドロが跳ね返り、ズボンの裾もけっこう泥だらけに。
ビーチサンダルだとかなり泥ハネがあがり、とても疲れます。ビーチサンダルの人を見ると滑ってるし歩くのが大変そう。
トレイルの最後に、土をとるブラシが常備されています。靴のドロドロはブラシを借りてゴシゴシ洗いって落としましょう。
持ち物
- 飲料水
- タオル
- レインコート
- 虫除けスプレー
- 公共交通機関で帰るなら着替え(泥ハネだらけになる可能性大)
午前中は雨が降ることが多いので、レインコートを用意しておくといいです。ジャングルの中で傘などさせません。
夏は虫が多いので、虫除けスプレーを。
ツアーだとステッキを貸してもらえます。ステッキがあると滑ったときの転倒防止に。転倒した時に体を保つ自信がない人はステッキをおすすめします。
トレイル自体は斜度が緩やかなのでステッキ無しでも大丈夫です。4、5歳の子どもでも歩いてます。
ステッキがあれば歩くのも楽ではありますが、両手がふさがるので写真を撮る時だけは超邪魔。
はじめてステッキを使った時に「要らなかったなー」と思いました。それ以来はステッキ無し。
ショップ「レインボーズ エンド」
トレイル入り口にお店がありますので、飲料等買えます。
また、トイレはこの建物にしかありませんので、トレッキング前にすませておきましょう。
トレッキング時の安全対策
スリップ注意
雨が多いこのトレイルはぬかるんで少し滑りやすいので、注意してください。
ところどころに階段があり、この階段の縁が一番滑るので縁は踏まないようにしましょう。
縁は再生プラスチックで出来ているようです。
落下する岩石には気をつけて
大雨で大規模な地滑りや、滝の上流から大きな岩が落下することが過去に何度かありました。幸いにも、死者や負傷者はありません。
私も一度、マノア滝に行く前日にトレイルがCLOSEになったことがありました。数日前の大雨の影響で大きな岩が滝壺に落ちたらしく、落石の警報です。
その時は、隣のライアン植物園へ急遽予定変更。
真っ黒い生物
ハワイ各島のガイドさんから聞いた共通のことですが、黒いカエルや黒いカタツムリなど黒い生き物には毒があるので触らないこと。
「真っ黒」や「黒いシマシマ」というところから、なんだか怪しいですよね。
私は今まで出くわしたことはありませんが、どこのトレッキングに参加しても、黒い生き物には手を触れないようにと注意がありました。
マノアの虹のプリンセス「カハラオプナ」
マノアを舞台にした虹のプリンセス「カハラオプナ」の神話があります。
マノアを吹く風を父に、マノアに降る雨を母として生まれた美しいプリンセス「カハラオプナ」 の物語は、ハワイアンソングにも詠われている有名な神話です。
カハラオプナはとんでもないヤキモチ焼きの夫から、浮気をしているのではないかといつも疑われ、嫉妬心に燃え上がり、無実のカハラオプナを土に埋めてしまいます。
それを見ていたカハラオプナのアウマクア(守り神)であるフクロウが、土の中から助け出します。
夫は何回もカハラオプナを土に埋めてしまうのですが、その都度フクロウが助け出して活躍するお話です。
さいごに
オアフ島に行く度に行ってしまうマノア滝。
マノア滝の魅力もさることながら、道中の生命力豊かな緑の中を歩くことが好きです。
ジェラシックパークの舞台にもなったジャングルは、訪れる価値のある絶景スポット。
自然を楽しみながらアクティブなに楽しむことができます。
ハワイ旅行の際には、ぜひマノア滝を訪れ、自然のパワーを満喫してみてはいかがでしょうか。